店舗やオフィス、住宅などを貸していると、
「そろそろ立ち退いてほしい」「老朽化した建物を取り壊したい」
そんな事情から建物の明渡請求を行う場面が訪れることがあります。
ですが、ただ「出てください」と言えば済む話ではありません。
立退料の根拠や正当な理由を説明する必要があり、裁判になった場合はさらに慎重な対応が求められます。
そんなとき、実は重要なのが――
「今の賃料が本当に適正かどうか」という視点なのです。
■問題:立退き交渉がこじれる本当の理由
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借主:「いまの賃料は安いから、立退料はもっともらうべき」
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貸主:「市場相場に合ってない賃料では、補償額も不明確」
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裁判所:「賃料の適正性を示す客観的資料が必要」
明渡請求において賃料の問題が浮上すると、交渉が感情的・不透明になりやすいのが実情です。
■解決策:専門家による「賃料鑑定評価」で交渉と主張に裏付けを
ここで活躍するのが、不動産鑑定士による賃料の鑑定評価。
これは、建物の立地・用途・築年・契約条件・周辺相場などを多角的に分析し、
「適正な賃料水準(適正賃料)」を算定する専門的評価書です。
この評価書があることで、以下のような利点があります:
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明渡交渉の際、立退料の根拠を明確に説明できる
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賃料の不当性を証明することで、明渡請求の正当性が補強される
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裁判での証拠資料として機能する
■鑑定評価は、こんなケースで役に立ちます
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賃料が相場より極端に低いまま長期契約が続いている
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更新交渉で賃料の値上げに合意できない
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立退き交渉で「いくら支払えば妥当か」が見えない
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裁判で明渡請求の「正当事由」を主張したい
■交渉や訴訟の土台になる“数字による説得力”
不動産トラブル、とくに建物明渡の場面では、
感情より“根拠”が求められます。
不動産鑑定士による賃料鑑定評価書は、
「この賃料は妥当か?」「立退料はどれくらいが適正か?」という
見えない疑問に“数字で答える”プロの道具です。