1. 地代、いつ見直すべき?
地代(借地に対する賃料)は、長期契約のまま据え置かれていることが多いのが現実です。
物価や地価が大きく変動している
周辺相場と比べて著しく安い/高い
固定資産税の増減があった
このような状況では、地代改定交渉が必要になることがあります。
2. 問題:借地人と地主、意見がかみ合わない…
地代の話し合いは、感情的な対立を生みやすいのが特徴です。
借地人の主張例 地主の主張例
「長年この金額で合意していた」 「今の地代では固定資産税も払えない」
「突然上げられても困る」 「周辺の地代相場に比べて安すぎる」
結果として、交渉が膠着し、関係悪化や法的紛争に発展することも…。
3. 解決策:第三者の「鑑定評価」で冷静な交渉を
ここで有効なのが、不動産鑑定士による地代の評価です。
鑑定評価とは?
公正中立な立場から、土地の適正な地代水準を専門的に算出すること。
活用のメリット
感情論からデータに基づく対話へ
双方にとって「納得の基準」を得られる
将来的なトラブル予防にも有効
4. 鑑定評価はどう進める?
現状把握
契約書、地積測量図、公課証明書などの資料を準備。
評価依頼
不動産鑑定士に依頼し、借地条件や周辺相場、固定資産税等を総合的に分析。
報告書の受領
地代水準の目安(増減幅や相当額)を記載した評価書が交付される。
交渉・合意形成
鑑定評価をベースにした交渉により、改定額や実施時期などを合意。
5. ケーススタディ:都内の旧借地権付き戸建て
現行地代:月額5,000円(30年前から据え置き)
鑑定評価額:月額12,000円前後が適正と算出
借地人・地主が協議のうえ、段階的な引き上げ(5,000→8,000→12,000円)で合意
ポイント:
一方的な「値上げ通知」ではなく、第三者の数値を“共通言語”にしたことが成功の鍵。
6. 次の一手
地代改定には、冷静な根拠と信頼性のある資料が不可欠
不動産鑑定評価は、対立を回避し納得を得る“道しるべ”
交渉を始める前に、まずは専門家へ相談してみましょう