活用例
不動産鑑定評価書の作成
法人と役員間、同族会社間等特殊な関係人の売買等における適正価格の証明として
特殊関係者間取引には「時価」の証明が不可欠です
法人と役員、あるいは同族会社間といった特殊な関係者間での不動産取引は、一般的な市場取引とは異なり、税務当局から厳しいチェックを受けます。当事者間で自由に価格を決められるため、「適正な時価(時価)」で行われたかどうかが最大の争点となるためです。 意図せず不利益な課税を招かないためには、客観的な価格の根拠を用意しておく必要があります。
特殊関係者間取引に潜む税務リスク
譲受側:法人税(受贈益)
譲渡側:所得税・法人税
これらのリスクは、単に「知らなかった」では済まされません。税務調査において価格の妥当性を説明する責任は納税者側にあり、客観的な根拠を示せない場合は、追徴課税や延滞税といった予期せぬ負担を強いられることになります。
なぜ不動産鑑定評価が有効なのか
- 適正な時価の証明
路線価等では反映しきれない、個別の事情や市場性を精緻に分析します。 - 税務署への対抗力
国家資格者による不動産鑑定評価書は、税務署等の第三者に対して「価格が適正であること」を証明する強力な資料となります。
円滑な事業承継や資産整理のため、また将来の税務トラブルを未然に防ぐために、ぜひ専門家である不動産鑑定士にご相談ください。
企業会計(時価会計・賃貸不動産・減損会計など)への対応が必要な時
上場企業や会社法上の大会社において、国際的な会計基準や厳格化する監査への対応は急務です。 当事務所では、減損会計、賃貸等不動産の時価注記、M&Aなど、企業会計のあらゆる局面で必要となる「適正な時価(公正価値)」を、監査に耐えうる精緻な鑑定評価書で証明いたします。
■ このような場面でご活用ください
企業買収時における資産の時価評価(PPA:取得原価の配分)や、不動産のデューデリジェンスにおいても鑑定評価が活用されます。簿価と時価の乖離を正確に把握し、経営判断のリスクを低減します。
「監査法人から外部評価を取得するよう言われた」「社内査定では認められなかった」という場合は、監査対応実績の豊富な当事務所にお任せください。
金融機関の融資に係る担保評価
不動産鑑定評価は、金融機関の融資に係る担保評価や担保再評価・債権管理などの場面で広く活用されています。
市場実勢に基づいた鑑定評価書は、融資判断の合理化・リスクの適正把握・与信管理の強化に役立ちます。
東京都を中心に、銀行・信用金庫・企業融資案件の担保評価実績を多数有する当社が、信頼性の高い不動産鑑定評価を提供いたします。
賃料の増減額交渉が生じている場合における適正賃料の把握のため
不動産鑑定評価は、賃料の増額請求・減額請求・賃料改定交渉などの場面で、適正賃料を把握するための重要な手段です。
市場調査に基づく鑑定評価書を活用することで、賃料交渉の根拠資料として信頼性を高め、円滑な合意形成や紛争回避につなげることができます。
東京都を中心に、事務所・店舗・マンションなど幅広い用途の賃料評価実績を有しています。
所有している不動産の資産価値の把握
不動産を所有している場合、現在の資産価値を正確に把握することは、将来の活用・売却・相続・資金計画などを検討するうえで非常に重要です。
当社では、不動産鑑定評価により、市場動向や立地条件、建物の状況などを総合的に分析し、現時点での適正な時価・資産価値を明確にいたします。
正確な評価は、経営判断や資産戦略の基礎資料としてご活用いただけます。
賃料(地代・家賃)が適正かどうか知りたい
現在支払っている(または受け取っている)賃料や地代が市場水準と比べて適正かどうか、正確に把握することは重要です。
当社では、不動産鑑定評価により、立地・築年数・利用状況・周辺相場などを総合的に分析し、適正賃料(地代・家賃)を算定します。
鑑定評価書は、賃料改定交渉・契約更新・資産運用の見直しなど、さまざまな場面でご活用いただけます。
相続や遺産分割のため
不動産鑑定評価は、相続や遺産分割における不動産の適正な時価把握に欠かせません。
市場実勢に基づく鑑定評価書は、相続税申告・遺産分割協議・遺留分対策などで有効な資料となります。
東京都を中心に、相続関連の不動産評価実績を多数有する当社が、公正で信頼性の高い不動産鑑定評価を提供いたします。
M&A、事業承継等の株式評価における不動産時価の把握
M&Aや事業承継などにおける株式評価の算定では、企業が保有する不動産の時価把握が極めて重要です。
当社では、不動産鑑定評価により、市場実勢に基づく適正な不動産時価を明確にし、株式評価・企業価値算定の基礎資料としてご活用いただけます。
税理士・公認会計士・M&Aアドバイザーなどの専門家との連携にも対応し、正確で信頼性の高い評価を提供いたします。
相続税申告で取得価格が分からない場合
「概算取得費(売却額の5%)」よりも鑑定評価が有利になるケースがあります
「概算取得費(売却額の5%)」を利用する方は多く見られます。
しかし、この5%ルールは極めて簡便な制度であり、
実際の取得費より大幅に低い金額となるケースがほとんどです。
- 課税される譲渡所得が大幅に増える
- 想定以上の税負担が発生する
このような場面で有効なのが、
不動産鑑定士による鑑定評価額を取得費として活用する方法です。
「5%ルール」では損をしやすい理由
概算取得費は「売却金額 × 5%」で計算されるため、たとえば3,000万円で売却した場合、取得費はわずか150万円。
実際は、何十年も保有していた不動産であれば、取得時の価値はもっと高かったにもかかわらず、税務上は“150万円で取得した”と扱われてしまうのです。
これにより、譲渡所得(=売却価格 − 取得費)が不必要に大きくなり、本来支払う必要のない税金まで負担するリスクが生じます。
鑑定評価額を活用するメリット
取得費だけでなく、不動産そのものの価値を把握できるため、相続後の経営判断にも寄与します。
5%ルールを使う前に、「鑑定評価」という選択肢を
- 税負担の軽減
- 申告内容の適正化
- 相続人間の円滑な協議
といった大きなメリットが期待できます。
取得価格が不明な不動産の相続税申告でお困りの方は、まずは不動産鑑定士へご相談ください。
当社は、相続案件での鑑定評価実績が豊富にあり、税理士・弁護士と連携したサポートも可能です。
所有不動産の「土地と建物の価格内訳」を明確にしたい
しかし、市場で提示される価格は多くの場合「一物一価」としてまとめて評価されており、土地と建物をどのように按分すべきかは専門的な判断が必要となります。
- 周辺の取引事例
- 土地の個別的要因
- 建物の築年数・構造・残存耐用年数
- 収益性(賃料・利回り)
などを総合的に分析し、土地価格と建物価格を合理的な手法で算定します。
鑑定評価額を活用するメリット
- 税務調査や会計監査にも耐え得る客観性の高い資料になる
- 売買交渉の根拠資料として信頼性が高い
- 減価償却費の適切な算定に役立つ
- 財務戦略や投資判断の精度が向上する
土地と建物の価値構成を正確に把握することで、不動産の持つ収益性をより明確に捉え、適切な経営判断につなげることができます。
収益不動産の価格内訳に関するご相談や鑑定評価のご依頼は、ぜひ当社へお問い合わせください。
建物の経済的残存耐用年数が不明な場合
経済的残存耐用年数とは、建物が経済的に利用可能とみなされる残りの年数を意味し、
収益還元法・減価修正・減価償却などにも深く関係します。
- 築年数が古い
- 改修履歴が不明
- 構造や状態にばらつきがある
- 法定耐用年数では現実を反映しない
実際の建物価値を反映した“合理的な経済的残存耐用年数”を導き出します。
- 建物の構造、仕上げ、劣化状況
- 修繕履歴・改修工事の実施状況
- 建築技術水準や周辺地域の建物寿命
- 同種建物の市場での耐用傾向
- 収益性(家賃水準・利回り)の変化
- 法定耐用年数との比較検討
鑑定評価額を活用するメリット
借入審査や投資判断への説得力が向上
法定耐用年数だけでは判断できない「実際の建物寿命」を知ることで、不動産の価値判断や経営判断の精度は大きく向上します。
建物の経済的残存耐用年数でお困りの方は、ぜひ当社の不動産鑑定評価をご活用ください。大規模修繕した別荘等実績もございます。
借家権・立退き費用の算定
建物老朽化・建替えに伴う「立退料(借家権)」の適正査定
貸主様「法外な立退料を請求されて計画が進まない」
借主様「提示された金額では移転・再開ができない」
弁護士様「裁判や調停の資料として、客観的な疎明資料がほしい」
立退料(借家権価格)の内訳・考え方
立退料には「定価」や「一律の相場」はありません。当事務所では、以下の要素を積み上げ、個別の事情を反映した精緻な評価を行います。
借家権価格(場所的利益) 現在の賃料と市場賃料との差額(借得)や、その場所で営業することの利益等を現在価値に換算して評価します。
営業補償(店舗・事務所の場合) 移転に伴い休業せざるを得ない期間の「逸失利益(粗利)」や、得意客喪失による減収分などを補償します。
移転実費・付随費用 引越し費用、新店舗の内装工事費、仲介手数料、広告宣伝費など、移転に必要な実費を見積もります。
交渉が感情的な対立になる前に、客観的な数値に基づく鑑定評価書を「共通言語」として活用することで、納得感のある円満な解決をサポートします。
更新料・名義書換料・条件変更承諾料など、一時金の鑑定評価
当社では、不動産鑑定士が専門的手法を用い、「なぜその金額になるのか」まで説明できる鑑定評価書をご提供します。交渉の円滑化や訴訟対応にも活用できる、第三者性の高い評価を行っています。
- 更新料の妥当性を確認したい時
→ 契約内容・市場賃料・物件の収益性を踏まえた合理的な評価 - 名義書換料(譲渡承諾料)の適正額を把握したい時
→ テナント価値や営業利益、契約上の地位移転の影響を考慮 - 条件変更承諾料の算定が必要な時
→ 用途変更・転貸承諾・契約条件改定に伴う権利関係を分析 - 貸主・借主間の交渉材料として適正額を明確にしたい場合
- 裁判・調停で客観的な根拠を示す必要がある場合
- 監査対応・社内稟議に説得力のある資料が求められる場合
一時金の金額は物件特性や契約条件により大きく異なるため、明確な根拠をもつ第三者評価が非常に重要です。
当社では、判例・実務慣行・市場データを用いて、合理性と説明力のある評価をご提供します。