株式会社日本アセットコンサルティング

財産分与に関する不動産鑑定評価とは? ― 「感情」ではなく「価値」で公平に分けるために ―

離婚や相続の場面で問題になりやすいのが、「不動産の分け方」です。

家や土地は現金のように単純に分けられないため、話し合いが難航するケースが少なくありません。

「この家はいくらの価値があるのか?」

「ローンが残っている場合、どう扱えばいいのか?」

こうした疑問に答えるのが――不動産鑑定評価です。


■ 問題:主観では“公平”にならない不動産の価値

財産分与の場面では、夫婦それぞれが「この家は高い(安い)」という感情を抱きがちです。

しかし、実際の不動産価値は、

  • 立地条件

  • 築年数や建物の状態

  • 周辺の取引事例

  • 市場の動向

    など、複数の要素を専門的に分析しないと判断できません。

感情的な話し合いだけで進めると、

・一方が不利な条件で合意してしまう

・後から「不公平だった」と争いが再燃する

といったトラブルにもつながります。


■ 解決策:不動産鑑定士による「客観的な評価」

不動産鑑定士は、法律に基づき不動産の価値を判定する国家資格者です。

鑑定士が行う「財産分与のための鑑定評価」では、

  • 現時点での市場価値(時価)

  • 持分割合(どちらがどの程度の権利を持つか)

  • 借入金残高や担保状況

    などを総合的に分析し、公平で根拠のある評価額を算出します。

この鑑定評価書は、裁判所や弁護士の協議資料としても信頼性が高く、証拠資料として利用可能です。


■ 鑑定評価を行うメリット

  • ✅ 感情的な争いを避け、冷静な判断ができる

  • ✅ 財産分与の交渉をスムーズに進められる

  • ✅ 将来のトラブル(再交渉や訴訟)を予防できる

特に不動産を売却せず、一方が住み続ける場合には、時価評価による「公平な金銭精算」が不可欠です。


■ まとめ

財産分与は、人生の再スタートに向けた大切な整理のプロセスです。

だからこそ、感情や推測ではなく、「数字に基づいた公平な判断」が求められます。

不動産鑑定評価は、離婚や相続における不動産トラブルを防ぎ、

お互いが納得できる“公正な分け方”を実現するための専門的なツールです。