株式会社日本アセットコンサルティング

再開発で土地を手放す? 「用地取得鑑定評価」で損しないために知っておきたいこと

1. 突然届く「再開発のお知らせ」

都市部や駅周辺で進む再開発計画。

突然、自治体や再開発組合から「このエリアが再開発対象になります」「用地を買収させていただきたい」という通知が届くことも。

ここで多くの方が戸惑います。

  • 「うちの土地、いくらで買ってくれるの?」

  • 「提示された金額、妥当なのか分からない…」

  • 「断ったらどうなる?」

これは単なる不動産売買とは違い、公共性の高いプロジェクトの一環で進められる「用地取得」なのです。


2. 問題:提示金額=適正価格とは限らない

行政や再開発事業者が提示する買取価格は、あくまで彼らの試算ベース

しかし、売却する側として気になるのは、本当にその金額が適正かという点です。

よくある不安 実際の落とし穴
「専門家が出した額だから大丈夫だろう」 → 公的価格と市場価格にはギャップがあることも。
「周りの人も承諾しているらしい」 → 価格の根拠を知らずに合意してしまうと損をするリスクあり。

3. 解決策:「用地取得鑑定評価」で適正な価値を知る

用地取得鑑定評価とは?

不動産鑑定士が、中立的な立場から用地の補償価格を適正に評価する手法。

通常、公共事業の買収価格はこの評価をもとに算定されます。

主な評価要素

  • 周辺の取引事例・相場

  • 現況(建物・利用状況)

  • 公法上の制限

  • 利用収益の可能性

個人でも依頼することができ、提示価格との比較材料にもなります。


4. 実際の流れと活用ポイント

  1. 通知を受け取ったら、まず落ち着いて内容確認

     → 再開発の根拠法令・スケジュールを把握。

  2. 提示価格の根拠を確認する

     →「どういう基準で計算されたのか」を事業者に開示請求可能。

  3. 必要に応じて、別途“鑑定評価”を取得

     → 自分側でも評価をとることで価格交渉の武器に。

  4. 評価の差異をもとに交渉・調整を行う

     → 裁判や補償交渉に発展するケースでも、鑑定評価は強力な証拠に。


5. ケーススタディ:駅前再開発エリアの一角

  • 提示価格:坪単価180万円(再開発組合の評価)

  • 個人依頼による鑑定評価:坪単価210万円が適正と算出

  • この評価書をもとに交渉し、坪200万円まで条件引き上げに成功

📌 ポイント:

提示価格を鵜呑みにせず、客観的資料を持つことが納得への第一歩


6. まとめ:知っておけば損しない用地取得交渉術

  • 再開発による用地取得は、人生で何度もあることではありません

  • だからこそ、「知らなかった」で済まさず、専門的視点からの評価を活用しましょう

  • 不動産鑑定評価は、あなたの資産を守る“盾”になります

次に備えてできること

  • 自宅や所有地の「現在の評価額」を知っておく

  • 通知が来たら、すぐ専門家に相談できる体制を整えておく