―放置してはいけない、その理由と正しい対処法―
◆突然、目の前の私道に知らない車が…
「いつものように出かけようとしたら、目の前の私道に知らない車が…。しかも連日止まっていて出入りに支障が…。」
このような無断駐車のトラブル、実は都市部の住宅地を中心に、全国で頻発しています。
特に私道(私有地)であるにも関わらず、公道と見なされやすい場所では、「ちょっとだけ」「道だからいいだろう」という軽い気持ちで駐車されがちです。
しかし、それを放置すると生活に支障が出るだけでなく、所有権の侵害や安全性の問題にも発展しかねません。
◆まずは「私道」の権利関係を確認しよう
ここで重要なのは、「その私道が誰のものか」。
一口に「私道」といっても、以下のような違いがあります。
個人が単独で所有する私道(完全私有地)
複数人で持ち合っている共有私道
建築基準法上の位置指定道路や協定道路
つまり、勝手に駐車されて困る=すぐに排除できるとは限らず、権利関係によって対応が変わるのです。
◆対処法①:まずは「現状の証拠」を確保
感情的になってすぐ張り紙や傷つける行為に出てしまうと、逆にトラブルの火種になります。
まずは冷静に以下を行いましょう。
駐車状況の写真を日時付きで記録
ナンバープレートの撮影(可能であれば車種・色も)
継続的に駐車されているか、日数・時間をメモ
これらの証拠が後の交渉・法的手続きで極めて重要になります。
◆対処法②:警察・自治体への相談は有効?
多くの人が最初に思いつくのが「警察に通報すれば動いてくれるのでは?」という方法です。
しかし、実情は以下の通りです。
私有地内の無断駐車は、民事不介入の原則により、原則として警察は動かない
ただし、防犯上の問題や緊急性(出庫できない・危険物の積載など)がある場合は「保管場所法違反」や「道路交通法違反」として対応されることもあります
また、自治体の道路管理課等も、私有地内の問題には関与できないことが多いため、やはり所有者自身の対応が求められます。
◆対処法③:最終的には「弁護士や司法書士」への相談も視野に
以下のような対応が必要になるケースもあります。
内容証明郵便による警告
不法占拠として損害賠償請求や妨害排除請求訴訟の検討
継続的な被害があれば、通行妨害による刑事告発の可能性も
また、道路の権利関係が複雑な場合(共有名義・未登記など)は、不動産登記や相続登記を含む整理が先決になることも。
専門家への相談で、長期的なトラブルの芽を摘むことができます。
◆まとめ:泣き寝入りしないために
トラブル内容 対応ステップ
無断駐車 写真・記録の確保 → 所有権の確認 → 警告・交渉 → 専門家相談
警察対応 緊急性や通行妨害があれば通報可。原則は民事対応
法的措置 内容証明・訴訟提起・損害賠償請求など選択肢あり
「私道=個人の自由」ではありませんが、「勝手に使っていい」わけでもありません。
自分の権利を守るためには、冷静に、かつ専門的な視点で対処することが重要です。
あなたの道はあなたの大切な財産です。
無断駐車トラブルは、早めの対処で「大きな被害」を防げます。
今後に備えて、自宅前の道路の権利関係を一度確認してみてはいかがでしょうか。