株式会社日本アセットコンサルティング

共有私道と固定資産税の意外な関係

〜「誰も使わない道」にも税金はかかるの?〜
◾ 問題:使えないのに課税?私道の“税金落とし穴”
「この私道、実質使えないのに、固定資産税が課されてるっておかしくない?」
家を購入してから数年後、こんな疑問を抱く人が少なくありません。
特に共有私道を保有している方にとって、思わぬ課税負担は悩ましい問題です。

実は、共有私道には特例措置がある一方で、課税対象となるケースも多く、その仕組みを正しく理解していないと、納得できない税負担を抱えることになりかねません。

◾ 解決:課税対象になる私道・ならない私道とは?
✔ 公衆用道路として認定されていれば“非課税”
固定資産税の課税対象外となる条件のひとつが、「公衆用道路の特例適用」。
これは、その私道が不特定多数の通行に供されており、実質的に公道のように使われている場合に適用されます。

例:幅員4m以上で、車両や歩行者の通行が日常的にある

地元自治体がその存在を公知している(都市計画図などに反映)

👉 つまり、個人所有であっても、“地域全体のインフラ”とみなされると非課税扱いになるのです。

✔ 認定されなければ“課税対象”
逆に言えば、その私道が専用的に利用されている、または閉鎖的な構造であれば、固定資産税の課税対象となります。

例:

戸建て住戸のみが接道し、外部との通行が制限されている

門扉やフェンスなどで封鎖されている

実際には通行できない(通り抜け不可)

👉 結果として、共有持分に応じて課税され、それぞれの所有者が税負担を背負うことになります。

◾ 回避策:共有私道の“賢い管理”と“申請”のすすめ
① 公衆用道路の申請をする
実態として公道的に使われているのに課税されている場合は、「非課税申請」を自治体に行うことが可能です。

✅ 必要書類の一例:

現地の写真

公図

接道住戸の状況を示す図面

通行実態を示す説明文

📌 申請の際には、共有者全員の同意が必要となるケースが多いため、事前に合意形成を図っておくことが大切です。

② 課税評価額に納得できない場合は“審査請求”も
毎年4~6月頃に送付される「固定資産税課税明細書」をよく確認し、
「評価が高すぎるのでは?」と感じたら、地方税法に基づく不服申立て(審査請求)も可能です。

👉 税理士や不動産鑑定士に相談して、適正評価であるかを客観的に確認してもらうと安心です。

◾ まとめ:共有私道は「管理と申告」で税金リスクを回避
共有私道に関する固定資産税の問題は、
制度を知っていれば防げるトラブルの代表例です。

非課税にできる可能性があるのに、知らずに毎年税金を払い続けている人は少なくありません。

以下の3つをチェックしてみましょう:

✅ その私道は地域の通行に利用されているか?
✅ 課税明細に“私道”として記載があるか?
✅ 共有者との間で話し合いができる状況か?

🚧 使わない道に課税されないよう、“知識で身を守る”ことが重要です。