株式会社日本アセットコンサルティング

〜「みんなの道」でも、あなたが払うことになるかもしれません〜

◾ 問題:共有私道の“思わぬ請求”に要注意!
マイホームを購入してしばらく経ったある日。ポストに届いたのは、私道補修費用の請求書。
「え?この道ってみんなで使ってるんじゃないの?それに誰が管理してるの?」

実はこれ、共有私道ならではの典型的なトラブルです。

共有私道はその名の通り、複数人で所有する私有地。
見た目は道路でも、公道とは全く異なるルールと責任が存在します。
今回は、共有私道に関わる費用負担の仕組みと、将来的なトラブルを未然に防ぐ方法を専門的に解説します。

◾ 解決:共有私道の「費用問題」を理解する3つの視点
① 所有者全員に管理義務がある
共有私道は、通常、持分(=共有割合)に応じて費用負担するのが原則。
たとえば舗装の補修や除雪、排水溝の清掃など、日常的な維持管理コストは、所有者全員の責任です。

👉 チェックポイント:

自分の持分割合を確認する

負担割合の合意があるか書面で残す

② 合意形成が難航しやすい
共有者が複数いる場合、費用負担に関する意見の不一致が大きな障害になります。
中には「自分は使っていない」「勝手にやってくれ」と非協力的な共有者も。

👉 回避策:

共有者同士で管理ルールを作成・署名する

トラブル時は管理組合や弁護士を介することでスムーズに

③ 公的補助制度の活用
一部の自治体では、私道の舗装や整備に対して補助金や助成金制度を設けています。
費用の一部が補助されることで、共有者間の合意を得やすくなる場合も。

👉 活用のコツ:

補助対象となる条件(幅員、延長、住民数など)を自治体に確認

事前申請が必須なので、工事前に相談を

◾ 解決策:費用トラブルを未然に防ぐ3つの実務ポイント
✔ 購入前に「共有状態」を確認する
購入する不動産が共有私道に接しているか、持分があるかは重要事項説明書や登記簿で確認可能です。
不動産会社に「費用負担の実例」を質問するのも有効です。

✔ 管理ルールを“見える化”する
口約束では後々のトラブルに発展しやすいもの。
共有者同士で「費用負担と管理方法の覚書」を交わしておくと安心です。

✔ 問題が起きたら専門家に相談を
費用負担で揉めた場合や合意が得られない場合は、司法書士・行政書士・弁護士への相談を検討しましょう。
不動産トラブルの専門家は、感情的な対立を避けつつ法的整理が可能です。

◾ まとめ:共有私道は“共同責任”の道
共有私道に関するトラブルは、費用・責任・合意の曖昧さから起こります。
しかし、事前に正しく理解し、適切な書類やルール作りを行えば、安心して暮らせる環境を守ることができます。

✅ 「この道の持分はあるか?」
✅ 「修繕時の費用はどうなるか?」
✅ 「トラブルが起きたとき、誰に相談できるか?」

この3つを常に意識して、トラブルの芽を摘み取りましょう。