株式会社日本アセットコンサルティング

建物明渡請求に伴う賃料鑑定評価についてー賃貸トラブルで困っていませんか?

賃貸物件のオーナーとして、または管理者として、こんな悩みを抱えていませんか?

「賃料を長期間滞納されている」 「契約違反で退去してもらいたいが、適正な賃料請求額がわからない」 「裁判所に提出する賃料の根拠資料が必要だが、どう準備すればいいのか」

建物明渡請求を行う際、多くの方が直面するのが賃料鑑定評価という専門的な手続きです。これを正しく理解し、適切に対応することが、スムーズな問題解決への第一歩となります。


建物明渡請求における賃料鑑定評価とは?

建物明渡請求とは、賃貸借契約の終了や契約違反を理由に、賃借人に物件からの退去を求める法的手続きです。この際、過去の未払い賃料や、明渡しまでの使用損害金(賃料相当額)を請求するケースが一般的です。

ここで重要になるのが賃料鑑定評価です。

賃料鑑定評価とは、不動産鑑定士などの専門家が、対象物件の適正な賃料額を客観的に算定する手続きのこと。裁判所や当事者間での交渉において、「この物件の適正な賃料はいくらなのか」という判断材料を提供します。


なぜ賃料鑑定評価が必要なのか?

一見すると「契約書に書いてある賃料を請求すればいいのでは?」と思われるかもしれません。しかし、以下のようなケースでは賃料鑑定評価が不可欠となります。

【賃料鑑定評価が必要となる主なケース】

1. 契約賃料と市場賃料に大きな乖離がある場合 長期契約で賃料改定がなされていない物件では、現在の市場相場と契約賃料が大きく異なることがあります。適正な賃料を請求するためには、客観的な評価が必要です。

2. 明渡し後の使用損害金を請求する場合 契約終了後も居座り続けている賃借人に対して、適正な使用損害金(賃料相当額)を請求するには、その根拠となる鑑定評価が求められます。

3. 裁判所への証拠提出が必要な場合 訴訟において、請求金額の正当性を証明するためには、専門家による客観的な鑑定評価書が有力な証拠となります。


賃料鑑定評価の具体的な方法

不動産鑑定士による賃料鑑定評価では、主に以下の手法が用いられます。

賃貸事例比較法

周辺の類似物件の賃貸事例を収集・分析し、対象物件の適正賃料を算定する方法です。立地、築年数、広さ、設備などを比較考慮します。

収益分析法

物件から得られる収益性に着目し、適正な賃料水準を算出する方法です。

積算法

土地・建物の価格に期待利回りを乗じて賃料を算定する方法です。

これらの手法を組み合わせることで、より信頼性の高い鑑定評価額が導き出されます。


賃料鑑定評価を依頼する際のポイント

賃料鑑定評価を成功させるには、以下のポイントを押さえましょう。

信頼できる不動産鑑定士を選ぶ

国家資格を持つ不動産鑑定士に依頼することが重要です。実績や専門分野を確認し、賃料鑑定の経験が豊富な専門家を選びましょう。

必要書類を事前に準備する

賃貸借契約書、物件の図面、登記簿謄本、これまでの賃料支払い履歴など、必要な資料を事前に整えておくとスムーズです。

鑑定の目的を明確に伝える

「訴訟での証拠として使用する」「交渉材料として活用する」など、鑑定評価の使用目的を明確に伝えることで、適切な報告書を作成してもらえます。

費用と期間を確認する

鑑定評価には通常、数十万円程度の費用と数週間から1ヶ月程度の期間がかかります。事前に見積もりとスケジュールを確認しておきましょう。


まとめ:専門家の力を借りて適正な解決を

建物明渡請求に伴う賃料鑑定評価は、法的手続きにおいて極めて重要な役割を果たします。感情的になりがちな賃貸トラブルも、客観的な鑑定評価という「数字」があることで、冷静かつ公正な解決につながります。

「賃料をいくら請求すべきか分からない」 「裁判で有利な証拠が欲しい」

そんな時は、一人で悩まず、不動産鑑定士や弁護士などの専門家に相談することをお勧めします。適正な評価に基づいた請求は、あなたの正当な権利を守る強力な武器となるでしょう。